盛弘の包丁は、卓越した切れ味と耐久性で多くの料理人から支持を受けています。その秘密の一つが、使用されている高品質な鋼材「安来鋼(やすきはがね)」です。本記事では、安来鋼の特徴や種類、そして盛弘の包丁との関係について詳しく解説します。
安来鋼とは?
安来鋼は、島根県安来市にある日立金属安来工場で生産される特殊鋼で、特に刃物用鋼材として高い評価を受けています。その歴史は古く、良質な砂鉄を用いた「たたら製鉄」の技術が基盤となっています。「安来」の地名と「鋼」を組み合わせて「安来鋼」と名付けられました。
安来鋼の種類と特徴
安来鋼は、用途や特性に応じて以下のような種類があります。
白紙鋼(しろがみこう)
• 特徴: 高純度で鋭い切れ味が魅力ですが、錆びやすいため手入れが必要です。
• 用途: 主に和包丁や高級刃物に使用されます。
青紙鋼(あおがみこう)
• 特徴: 白紙鋼にクロムやタングステンを加え、耐摩耗性と靭性を向上させています。切れ味が持続しますが、研ぎには技術が求められます。
• 用途: プロ向けの包丁や大工道具など、耐久性が求められる工具に使用されます。
黄紙鋼(きがみこう)
• 特徴: 白紙鋼や青紙鋼に比べて不純物が多いものの、基本的な性能を備えています。
• 用途: 一般的な刃物や工具に使用されます。
銀紙鋼(ぎんがみこう)
• 特徴: クロムを含むステンレス鋼で、錆びにくく手入れが容易です。ただし、白紙鋼や青紙鋼に比べて硬度はやや低めです。
• 用途: 家庭用包丁や錆びにくさが求められる刃物に使用されます。
盛弘の包丁と安来鋼の関係
盛弘の包丁は、芯材に安来鋼の青紙2号を使用し、両側を錆びにくいステンレスで挟む三層構造を採用しています。これにより、優れた切れ味と耐久性、そして手入れのしやすさを兼ね備えています。さらに、鍛造から仕上げまで一貫して手作業で行い、低温で丁寧に鍛え上げることで、鋼材の特性を最大限に引き出しています。
盛弘の包丁については、こちらの記事をご覧ください。
▶ザワつく!金曜日で紹介!8年待ちの蕎麦切り包丁とは??製造する盛弘の包丁についてリサーチ!
安来鋼の選び方
包丁を選ぶ際には、使用目的や手入れの手間などを考慮して、適切な安来鋼の種類を選ぶことが重要です。例えば、プロの料理人であれば、切れ味と耐久性に優れた青紙鋼の包丁が適しています。一方、家庭での使用や手入れの手軽さを重視する場合は、錆びにくい銀紙鋼の包丁が便利です。
まとめ
安来鋼は、その高い品質と多様な種類で、刃物業界において重要な役割を果たしています。特に、盛弘の包丁のように安来鋼を使用した製品は、プロの料理人から家庭のキッチンまで幅広く支持されており、適切な手入れを行うことで、長く愛用できる包丁となります。
参考
美鈴ハサミ株式会社ホームページ
http://www.misuzu-hasami.co.jp/zatugaku/zatugaku/yasukikou.html
ビエント工芸ホームページ
https://www.damascus-houchou.com/annai/kouzai.html
ほんまもん楽天店 鋼のおはなし
https://www.rakuten.ne.jp/gold/honmamon-r/faq/hagane_01.html
コメント