エジプトの象徴ともいえるギザのスフィンクス。古代エジプト文明の遺産として世界中の人々を魅了してきましたが、塩害や気候変動による影響で、深刻な危機に直面しています。この記事では、スフィンクスをはじめとする古代遺跡が直面する塩害の原因とその解決策について詳しく解説します。
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スフィンクスを蝕む塩害の原因
スフィンクスが建てられたのは約4500年前の紀元前2500年頃、第4王朝カフラー王の時代です。ライオンの体に人間の頭を持つ巨大な像は一枚岩から彫り出され、今日に至るまでその神秘的な姿を保っています。しかし、近年、スフィンクスの首や胴体に深刻な損傷が確認されています。
地下水と塩害の関係
調査によると、スフィンクス周辺の農地拡大によって地下水位が上昇し、それが石灰岩に悪影響を与えています。地下水には高濃度の塩分が含まれており、岩に浸透した水が蒸発すると、塩分が再結晶化して岩を内部から崩壊させます。このプロセスがスフィンクスの表面の崩落や亀裂の拡大を引き起こしています。
強風と砂の侵食
さらに、ギザ高原の強風がスフィンクスをさらに脅かしています。風が巻き上げる砂が表面を削り、特に首から胸にかけての部分が急激に細くなっていることが確認されています。大阪大学の教授は「このままだと100年以内にスフィンクスの首が崩落する可能性がある」と警告しています。
塩害がもたらす他の遺跡への影響
スフィンクスだけでなく、エジプト各地の遺跡でも塩害が深刻化しています。
カルナック神殿の壁画の損傷
ルクソールのカルナック神殿では、柱や壁に刻まれた古代の壁画が次々と崩れています。特に地面付近では塩が白く吹き出し、絵画の表面が剥がれ落ちる現象が広がっています。原因は周辺農地の灌漑用水が地下水となり、塩分を含んだ水が遺跡に浸透していることです。
サッカラ地区の埋葬室
サッカラ地区にある古代エジプトの埋葬室も、塩害による壁画の損傷が激化しています。これに対し、日本の技術を活用した保存作業が進行中であり、掛け軸の装丁技術を応用して壁画を保護する試みが行われています。
気候変動と遺跡保存の未来
塩害の背景には、気候変動や都市化が大きく影響しています。人口増加による農地の拡大や都市化は地下水位の変動を引き起こし、遺跡の崩壊を加速させています。一方で、強風や気温上昇も遺跡へのダメージを増大させています。
保存活動への国際的な連携
こうした危機に対処するため、エジプト国内外の研究者や保存専門家が連携して対策を進めています。例えば、スフィンクスの周囲に防風壁を設置したり、地下水管理システムを構築することが提案されています。
スフィンクスと塩害についてのまとめ
以上、塩害がスフィンクスと古代遺跡を襲う危機的状況!?その原因と対策についてリサーチ【地球ドラマチックをお届けいたしました。
スフィンクスをはじめとするエジプトの古代遺跡は、地球規模の環境問題や人間活動の影響を受け、存亡の危機に瀕しています。これらの遺産は、人類共通の財産として保護する価値があります。遺跡を未来の世代に引き継ぐために、国際社会が一丸となり、保存対策を講じることが求められています。
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